「あ、そうだ」


不意に思いついて、声に出してそう言った。


「なに?」


薫子は笑顔まま首を傾げる。


「今日は諒と美奈に会って遊ぶか?」


俺の問いかけに薫子は嬉しそうに「もちろん」と、頷いた。


昨日記憶を書き換えたおかげで、2人のことはちゃんと理解しているのだ。


「よし! そうと決まればさっそく準備だ!」


俺はベッドから飛び起きてクローゼットへ向かう。


クローゼットの中には女物の服が何着かあった。


どれもおまけとしてドールハウスでいただいたものだ。


最初に来ていたピンクのキャミソールも可愛いけれど、今日はブルーのワンピースを着せることにした。


結音に一番似合う色だ。