返事はない。


ほぼ常に結音の父親か母親がついているのだが、今日は2人ともいないみたいだ。


俺はそっとドアに手をかけて横に滑らせる。


滑りのいい引き戸は小さな音を立てつつすんなり開く。


真っ白な病室に結う日が差し込み、結音を照らし出している。


「結音、来たぞ。今日は諒と美奈も一緒だ」


俺は眠っている結音に話しかけながら窓辺へ向かい、薄いカーテンを引いた。


直射日光はあまりよくない。


きっと眩しいと思っていたんじゃないかな。