それから俺たちは薫子を止めるための計画を練り始めた。


そのうえで一番の気がかりとなったのは、山下陽子が出てくるタイミングだった。


俺が山下陽子と会話をしたのは数回しかない。


その中で山下陽子が出てくるキッカケとなった共通点を探す必要があった。


「なにか、思い出すことはないか?」


諒にそう聞かれ、俺は頭を抱えた。


一番最初に山下陽子が出てきたのは、あの公園だ。


あの公園で薫子が急にわけのわからない事を口走り始めた。


あの時俺はなにが起きたのかわからなかったけれど、あれは薫子の言葉ではなく、山下陽子の言葉だったのかもしれない。


そう考えると、殺されたミサという女の子の名前を呼んだ事も納得できる。


山下陽子とミサは友人同士だったのだから。