「だったら、どうしてあの場に一緒にいた俺たちが疑われなかったんだ?」


「それは……」


実はそれは俺も少し気になっていた部分だった。


俺たちはあのあとすぐに警察に通報した。


そして薫子もいる中で事情を説明したのだ。


けれど俺たちの説明は受け入れられず、俺たちの存在を疑う事もなかった。


聞き取りはあっという間に終わり、俺と諒が再び警察に呼ばれる事もなかったのだ。


こんなの、どう考えてもおかしい。


テレビドラマでしか見た事がないけれど、警察というのはもっとしつこく話を聞いてくるものじゃないのか?


あまりにもアッサリとした対応に、俺と諒は疑問を抱いていた。