彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐

ぞわぞわと逆毛立ち、俺はロボットになったようにカタカタと振り返る。


目の前に薫子がいた。


大きな目を見開き、ニタリと口角を上げ、俺を見ている。


叫びそうになった悲鳴をなんとか喉の奥に押しとどめる。


「殺してきて、あの女を」


薫子が繰り返す。


やけに赤い唇が一言しゃべるごとに妖艶に動く。


「殺してきて、あの女を」


「やめろ……」


俺はその場にうずくまる。


手にしていたカッターナイフが床に落ちた。


「コロシテキテ、アノオンナヲ。コロシテキテ、アノオンナヲ」


わざとだろうか。


薫子は感情を持たない人形そのものの口調で語りかけてくる。