「山下陽子17歳。○×市の高校生。……○×市?」


俺は書いてある文面を読みあげ、そして自分の目を疑った。


○×市といえば俺の住んでいるこの地域を指す。


市内の範囲は随分と広いけれど、まさか同じ市内の人間だとは思わなかった。


俺は食い入るように画面を見つめる。


高校生ということは俺と同じ学校の子だったかもしれないということ。


だけど最近俺の学校で生徒が死んだという話はきかない。


だとすれば他校生だ。


他県の高校へ通っていた可能性もある。


もっと山下陽子に関する情報が載っていないかと探してみたが、有力な手掛かりは見当たらなかった。


気がつけば外はオレンジ色に染まり始めていて、俺は大きく伸びをした。


「通っていた高校がわかれば山下陽子の実家も見つけられると思ったけれど、さすがにそう簡単じゃないな」


「なにが簡単じゃないの?」