「なに言っているの。燈里のせいじゃないってば」


美奈は困った表情を浮かべてそう言う。


「……俺の事が好きだからそう言ってくれてるんだろ?」


「え?」


「俺の事、かばってくれているんだろ?」


「何言っているの。燈里は大切な友達……」


言いかけて、美奈は言葉を切った。


本当にそれだけの気持ちで優しい言葉をかけているのか、自分で自分の言動に疑問が浮かんでいる様子だ。


普通友達同士でも許せないことだってある。


だからケンカや言い争いをしてわかり合おうとする。


だけど美奈は違った。


「燈里の言う通りだよ。燈里の事が好きだから、良く思われたいから許してあげているだけ」