しかし目の前には楽しそうにほほ笑む薫子の顔。


薫子は時折手の力を緩め、俺に呼吸をさせた。


そしてまた力を込める。


抵抗できないカエルをいたぶり火にかざす子供のように、薫子は俺で遊んでいた。


いつでも俺を殺せる。


そんな状況にありながら、絶対に絶命させることはない。


やがて俺の体力は限界に近づき、意識は真っ白な中へと消えて行ったのだった。