彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐

その、瞬間だった。


気配がした。


後ろに誰かいる。


道を開けようと思い、階段の右端へと移動し歩調をゆるめる。


しかし誰も追い越していかない。


不思議に思い、振り返る。


目の前に結音がいた。


「ゆ……」


言いかけた言葉が途切れる。


結音があたしの体を押した。


その力は普通の女の子が出せる力ではなかった。


体はバランスを崩し、階段を踏み外す。


落下していく中、あたしは結音を見ていた。


結音の表情は冷たく、なんの感情も持ち合わせていないように見える。


それはまるで人形のようだった。


あぁそうか。


あれは結音ではない。


薫子……。


そう思った瞬間後頭部に激しい衝撃が走り、あたしの視界は暗転した。