彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐

「……なんのこと?」


美奈の質問に薫子は首を傾げる。


美奈は薫子の反応をジッと見ていたが、やがて諦めたように息を吐き出した。


「やっぱり、生前の記憶はないのかな? それとも生きた人間だったって噂自体がデマ」


「知らねぇよ。そんなの」


諒がイライラしたように言う。


「壊しちまえよ、こんな人形」


「ちょっと、諒!」


今度は美奈が諒を止めた。


美奈はあくまで薫子の攻撃を抑えたいだけなのだ。


薫子を壊しにきたワケじゃない。


そのすれ違いが2人に亀裂を生じさせている。


「人形? なんのこと?」


薫子が1人首を傾げる。


「お前の事だよ! 出来損ない!」


諒が怒鳴りながら立ち上がり、薫子の胸倉をつかんで立たせた。