彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐

それが救いになって、なんとか家までの距離を消費できた。


坂道を上って見慣れた家が見えたとたん「やっとついた」と、思わず口に出して言ってしまったくらいだ。


「ただいま」


いつも通り玄関を開けて声をかける。


中から返事はない。


両親はきょうも仕事だ。


俺の部屋には薫子が1人で待っている。


「あがって」


俺が言うよりも早く、勝手知ったる諒はさっさと靴をぬいで玄関を上がった。


美奈は「お邪魔します」と、俺に言って靴をぬぐ。


「人形は?」


玄関をあがってすぐ美奈に聞かれて、俺は思わず言葉に詰まってしまった。


2人は薫子に会いに来たのだから、居場所を聞くのは当然だ。