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一時間と少ししか授業を受けなかったため、帰る生徒に紛れて歩いているのが少し不思議な感覚だった。


すべての授業を受けてようやく解放された生徒たち。


でも、俺は違う。


俺だけは違う。


沢山の同じ制服の中で、自分だけ私服を着て歩いているような感じがする。


居心地が悪く、俺は足早に校門をぬけた。


空は高く青く、ちょうどよい気温が体を包み込む。


みんなそれぞれ帰ってなにかをするのだろう。


課題をしたり、就職先を探したり、遊びに出たり。


そんな事を思いながら、俺は生徒たちをどんどん追い抜いていく。