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みんなが学校へ行っている時間に街を歩くのは新鮮だった。


小学生の頃熱を出して学校を休んだ時のような感覚。


熱にうなされて苦しいハズなのに、どこか楽しくて、優しくしてくれる母親にずっと甘えていた。


あの感情に近いものがある。


俺は学校を通り過ぎ、まっすぐシャッター商店街へと向かった。


普段から人のいない通りだけれど、平日の朝は妙に寒々しく感じる。


風が通り抜け、放置されカラスに荒らされたゴミが舞う。


朝の澄んだ空気がここだけ淀んでいるようにも感じる。


そんな中俺は薫子と2人でシャッター商店街を歩いた。


薫子とずっと一緒にいる方法を、国匡さんに聞いていなければいけない。
ついでに薫子の感情を自分んでコントロールする方法も。