奇病患者特別治療施設

「院長さん、どうも、こんにちは。」



梓は本のページをめくる手を止め、しおりを挟んでそばにある可愛らしい机の上に本を置いた。



「あぁ、こんにちは。今日、具合はどうだ?」

「今日はとても気分が良いんです。発作の心配はないと思います。」

「発作なんて起こるのか?」

「聞いておられませんか?私はたまに…発作が起きるんですよ。」

「わかった。注意しておく。」

「ありがとうございます、他の部屋にも行かれるんでしょ?」

「そのつもりだ。その前に…蓮は何号室だ?」

「404号室です。」

「ありがとう。何かあったら呼んでくれ。」

「わかりました。」




404号室…


どうやらここの病院の部屋番号に規則性は全く無いようだ。


だからとてつもなくわかりにくいのだ。



「ただでさえ入り組んでるのに…あっ、あった!」



やっと404の数字が見えた。

少し大きめの紙袋を抱えながら、俺は早歩きで歩いて行った。





コンコンと音を立ててドアをならす。


「射手島だ。入るぞ。」



「何しに来たの?」

「お前にプレゼントだ。」

「はぁ?何を?」

「これ。」



俺は大きな紙袋を捧げた腕を少し持ち上げた。


「わぁあ!!戦隊ウオヘンジャーだ!」

「好きだろ?」

「うん!大好き!!あっ!」

「だろうと思ったんだよ。恥じらうな、今更じゃないか。ホラ、レッドマグロを取り出せ!俺が相手してやる!」

「正義のヒーローウオヘンジャー!さんじょうっ!!海の資源を守るため!いざ戦うぞウオヘンジャーッ!!」

「かかってこいウオヘンジャー!!」
(ダミ声)











「なに、してるんですか?」

「あ、竜司にーちゃん。」

「竜司!」


「すいません、声が聞こえたからつい。」

「別に良いんだが…見苦しいものを見せたな。」

「こちらこそすいません…」

「竜司にーちゃんもやろーぜ!ウオヘンジャーごっこ!ブルーシャークやってよ!」

「よしきた!!」

「竜司がきたから俺は引き上げるぞ、蓮。」

「わかった!あ、あの、院長!」

「匠でいい。なんだ?」

「ありがとう!!匠!」

「どういたしまして」





「蓮を元気づけてくれてありがとう。」

「いや、仕事だしな。ところで、紅葉。蓮は最近何かあったのか?」

「多分最近よく悪夢を見るんだと思う。最近ずっとだって言ってたから。」

「なるほど。まぁ一件落着一石二鳥か。」

「お疲れ、あとは百合奈がくるからなんとかなる。明日は執務室での仕事をしろとの指示だ。」

「わかった。」