奇病患者特別治療施設

百合奈さんのケーキも食べて、みんなが俺にプレゼントをくれた。

今はそれを部屋で鑑賞中。


沙梨はお守りだった。
蓮はミニカーだった。
梓は俺が欲しかったブックカバー。
恵はイヤホン。
竜司はバレーボール。
紅葉はわざわざ部屋に持ってきてくれた、パーティーでれば良かったのに、そんな柄じゃないって言って、ニット帽をくれた。
百合奈さんはタオルハンカチ。
匠さんはメンズ服、さすがセンスが良い。

皆、悩んで買ってくれたのか…?

そんなわけないか、ここの患者は外に出ようとしないから。
おそらく紅葉と竜司が扱えるPCでだろう。

乾いたノックが静かな部屋に響いた。

「どうぞ。」

匠さんだった。

「服、どうだ?気に入ったか?」

「えぇ、俺の趣味そのものでしたよ。」

「なら良かった。似合うと思ったものを買ってきたんだ。」

「ありがとうございます。大切にきますね!」

「ちんちくりんになっても飾っとけよ。」

「さすがにもう成長しませんよ。」

「それもそうだ。」


沈黙が、流れる。


この空気を切ったのは匠さんだった。


「なぁ、怖くないのか。」

「死ぬことですか?」

「あぁ。」

「怖いに決まってるじゃないですか。あと1年で俺は死ぬ確定ですもん。」

「治したいと、思うか。」

「思いま」

急な、吐き気…


「えほっ、、が…っ!!うぇ、かは、っ!!」

白い洗面台に血が飛び散る。

「はぁ、はぁ、は、は、ははっ…」

「大丈夫か?もう、苦しくないか?」

「もう大丈夫…匠さん、あの、俺…し、死にたくない…っ!」

「わかってる。誰だってそうだ」

「嫌だ…もうやだよ、死にたくない…こんな体のまま死にたくなんてない!」

「大丈夫。絶対。」

「なんで、匠さんはそう言い切れるんですか。まだ治した経験も無いのに…長くいる俺でさえ助かった人を見たことないんですよ!?」

「大丈夫だ!!!!


俺が、命に代えてでも助けるから。」