三上竜希に軽い説教と別れの挨拶を言い、優真は帰宅した。今日は七時からバイトだ。現在の時刻は六時半、バイト先に行くために要する時間は十分。多少の余裕があった。優真はお湯を沸かし始めた。お湯を沸かしているうちにカップラーメンを取り出しタイマーを三分にセットした。熱いお湯をカップラーメンに注ぎ、タイマーのボタンを押した。少しするとタイマーが鳴り始めた。出来上がった簡易的な夜食を素早く食べ終わると、上着を着て家を出ようとするとメールが着た。今日は遅くなるから、ご飯はバイトの帰りに外で食べてきてね。母からだった。‥‥財布から消えた二千円は思わぬ痛手となった。やはり金欠に苦しむ現代人と言えども他者の金を抜き取るものではない。優真は常識的なことを今さら再認識した。