そんなことを 考えているうちに、 曲はもう終盤にさしかかっていた。 "好き、だなんて 口にできないけど あなたのためなら 言えそうな気がする ううん、今だったら言えるわ" 「なあ、唯」 ずっと黙りこくっていた 敦志が、口を開けた。 「なあに?」 「・・・・」 「敦志?」 敦志は、何も言わないで、 ただ、あたしを見つめている。 「・・・・・・唯」 ゆっくりと、近づいてくる敦志。