「とわさん、今までありがとう」
「ええですよ気にせんとって下さい」
とあるアクセサリーショップに来ていた。
カウンターには頬杖をついてニヤニヤとこちらを見つめるとわさんの姿があった。
この七年の間、俺が何もしないわけがない。
度々来てくれていたとわさんに代筆をお願いしていた。
俺の記憶が薄れない内に。
「そこまでする程、人間界はいい所だったんですか?」
「…いい人に出会えれば」
「ふぅん…好きな子でも居るんでしょうねその顔は」
ニヤニヤと笑うとわさんに頬が紅潮するのが分かった。
居るけど、と小さく呟くとへぇーなんて言って奥へと引っ込んでしまった。
暇になり手元を見つめる。
綺麗な字で書かれた王に渡す文章は俺の言葉をそのまま写した俺の字にそっくりなものだった。
とわさんが帰ってきた。
「はすさん、もう行くんやったらこれ持ってって下さい」
「なんですかこれ」
「幸せを運ぶキジバトですよ」
手渡されたのは二つの木彫りのキジバトだった。
クリスマスツリーに飾る様な、小さな。
とわさんにお礼を言ってキジバトを握り締める。
早く美緒に会いたい…
「ええですよ気にせんとって下さい」
とあるアクセサリーショップに来ていた。
カウンターには頬杖をついてニヤニヤとこちらを見つめるとわさんの姿があった。
この七年の間、俺が何もしないわけがない。
度々来てくれていたとわさんに代筆をお願いしていた。
俺の記憶が薄れない内に。
「そこまでする程、人間界はいい所だったんですか?」
「…いい人に出会えれば」
「ふぅん…好きな子でも居るんでしょうねその顔は」
ニヤニヤと笑うとわさんに頬が紅潮するのが分かった。
居るけど、と小さく呟くとへぇーなんて言って奥へと引っ込んでしまった。
暇になり手元を見つめる。
綺麗な字で書かれた王に渡す文章は俺の言葉をそのまま写した俺の字にそっくりなものだった。
とわさんが帰ってきた。
「はすさん、もう行くんやったらこれ持ってって下さい」
「なんですかこれ」
「幸せを運ぶキジバトですよ」
手渡されたのは二つの木彫りのキジバトだった。
クリスマスツリーに飾る様な、小さな。
とわさんにお礼を言ってキジバトを握り締める。
早く美緒に会いたい…
