ダイニングテーブルに 置かれた袋の中には小さなネックレス。 ふさふさした毛が付いていて、まるで翼の様に思えた。

ぎゅっと握り締め、便箋を開く。 中に入っていたのは 前手紙が書きたい と言った時にあげた紙だった。


【あおいへ

人げんかいでの3ヶ月かん ありがとな ひろって、めんどう見てくれて、あおいが いてくれてよかった 人げんがすきになった 知らなかったこと、すげぇ知れた

かえってこれるか分からない がんばってかえってこれるようにはし たいけど、もう会えないかもしんない この手がみを見て、少しでもオレのこと思いだしてくれたらうれしいかな

あおい、大すき
つばさより】


「翼っ…なんでっ…」

せっかく止まった涙がまた溢れる。 もう、当分は彼に会えない。

出迎えてくれる大きな声も、眩しいくらいの笑顔も、彼の腕の強さも。 少し歪な字にぽた、と涙が落ちる。 せっかくくれた手紙なのに…

どうしても涙は止まらなかった。

3ヶ月の内に、こんなにも彼を好きに なっていたんだ… でもこの想いはもう、届かない。