突然後ろから声をかけられ、思わず肩にかけていた学生カバンを落としそうになった。

何より、その声に聞き覚えがあり振り返ってみる。

ーーー整った顔立ち。

ーーー吸い込まれるような瞳。

ーーー淡々とした声音。

それでいて何処か言葉の端々に優しさを感じる。

私より少し高い視線の先に彼はいた。