私達だけの図書館


(けっ、結局何も話せなかった………)

皆必死に勉強してるし、私も大変だったけど、やっぱり少しは話したいなぁなんて思う。

理江ちゃんは途中で寝ちゃったけどね………。

うーん、と唸りながらお手洗いから部屋に帰る途中で、部屋の前に遠野君がいることに気付いた。

「遠野君?入らないの?」
「あ、相田さん。俺邪魔だね。いーよ、入って入ってー」

へらへらと笑い、部屋の前からゆっくりと動き出す。

「え、いや、遠野君は?」
「んー、入りたいんだけどね。やっぱ俺の家で部屋なわけですから?」
「じゃあ、」
「今ね、終は買い出し。牧さんは寝てる」
「う、うん?」

イマイチわからない。
何が言いたいのかな………?


「中、蒼ちゃん1人だよ。俺が行けるわけないって」


「え………」