私達だけの図書館


「終ー、来た来た」
「正人、足音でそれぐらいわかる」
「いや、それだけはおかしいだろ⁉︎一応報告だよ、報告!」

遠野君の部屋には勿論白戸君がいて、2人で仲良く?言い合いを………

「し、………白戸君?」

「?」
挨拶も忘れ、白戸君のいつもはない装飾品に目がいく。

「白戸、眼鏡?」
「勉強する時は」

少しの間だけ目があった。
白戸君のいつもとは違う彼が見えて嬉しかった分、図書館でのことが特別でもなんでもないように思えてくる。

それでも白戸君の綺麗な目と一瞬でも合おうものなら、私の胸はどきんどきんとうるさく音をたてる。

私はすぐそらしちゃったし、白戸君もノートに視線を落としたけど。


(来て良かった………!)

それだけで、温かい気持ちになった。