白戸君が指を指したコーナーには所狭しと本が並んでいる。

(え、これ、全部かな………⁉︎)

夥しい数の本、本、本!!

「どれ?」なんて聞くわけにもいかないし………!

「この作者の一度読めば」
「えっ、えと………。『矢澤 海森』?珍しい名前っていうか」
「だろ。内容も相当奇抜。でも引き込まれる」

えっ………!
い、今笑いましたか!
白戸君が笑うなんて珍しく、私の視線は既に本を離れ、彼を見ていた。


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夥しい(おびただしい