片想いの距離~声が聞きたくて~【修正中】

知らぬ間に心の底から怒りが込み上げてきた。



「……もう聖なんて知らない!」




気づけば、言うつもりなんて無い言葉を発していた。




鋭く尖った言葉……。




言ってから自分でもびっくりしていた。




こんな言葉、聖に言った事無い……。




多分嫌われちゃったな……。




……まあ、私の事なんて何も思ってないからいいけど。




そんな事を考えながら、聖から完全に180度向きを変えた。




もう、聖に言う事なんて無かった。
言っても分かってくれないだろうから。




私は足を一歩踏み出した。




この場所から逃げたい。




……私は走り出した。




「……おいっ!」




聖の声が後ろから聞こえる。




でも無視した。
今は聞きたくない。




みるみる距離は離れていく。



無我夢中で走った。



現実を受け止めたくなかった。



なんで私の気持ちは届かないの?



もし私が聖の事嫌いだったら、一緒にデートなんてしなかったよ。



気づいて……。



胸が苦しい。



香恵ちゃんの為に私を利用したんだね。



言葉は悪いけどそうだよね。



溢れる涙は止まらない。