片想いの距離~声が聞きたくて~【修正中】

……え?




一瞬にして思考が停止したのが自分でも分かった。




それと同時に急激に顔が真っ赤になる。




「……い、いえ。私達カップルじゃありません!!」




きっと今の私、激しく動揺してるだろう。




聖とは……友達ってだけ……。




その想いを込めて店員さんを見つめる。




「あら、そうでしたか? すいま……」




「店員さん、俺らカップルですよ? この子、相当恥ずかしがりやなんで」




ふわっと香る聖の匂い。




聖が言った衝撃の言葉を、思わず疑ってしまう。



「……え? 聖!?」



冗談やめてよ。




私達、何にも無いんだから。




でも店員さんはすっかり聖の事を信じたようで。




「そうでしたか。初々しいカップルですね。ではお持ちしますので少々お待ちくださいね」




なんて言って、店員さんは奥へと消えていった。




その後ろ姿を呆然として見送る私。