放課後、私は待ち合わせ場所の校門前へと足を運んだ。



下校する生徒達は、私を見て誰を待ってるんだ?とでも言いたげな表情でこっちを見てくる。



その度に私は、こんな事してていいのだろうかって思ってしまう。



……でも約束しちゃったし、1回だけならいいよね。



そう自分に言い聞かせる。



「明香里ー」



前から聖がやって来るのが分かった。



「ごめんな !待った?」



「ううん、全然」



そう言いながら、私は早く校門から離れたくて、歩き始めた。



周りの人達が、私達に向けて熱い視線を送っているのが分かったから。



変な誤解をされて、噂だけは流されたくない。



出来れば香恵ちゃんには、この事を知られて欲しくないと強く思う。



「待てよー、明香里」



後ろから聖が追いかけてくるのが分かった 。



「そうだ! 〇〇ショッピングセンター行かない? 面白そうだし」



あまり計画はしてなかったみたいだ。



私に考える権利はないと思ったから素直に頷く。