片想いの距離~声が聞きたくて~【修正中】

「次の学級委員の仕事はいつなんだろうー?」



美咲が勝手に1人でぶつぶつ言っている。



「あ、聖君だ」



美咲が突然、私の耳元でささやいた。



「え!?」



聖って言葉が聞こえて反射的に体が反応する。



教室のドアの方を見ると、聖が登校してくるのが見えた。



美咲は何故か嬉しそうだけど、私は聖と目も合わせたくない。



でもそんな私の思いはむなしく消えて……。



どんどん近づいてくる足音。



「おはよう~、明香里!」



必死に目を合わせないように努力してたのに、案外うまくはいかないようだ。



いつも通り、私に挨拶をしてくる聖。



隣の席だから無理もない。



「おはよう」



私は普段と変わらなく、挨拶を返した。



「……明香里、今日元気ないんじゃない?」



聖が尋ねてきた。



私って好きな人の前になると、正直になってしまうのかもしれない。



普段通りに会話したつもりなのに、聖には何でも分かってしまうのか……。



「ううん、そんな事ないよ?」



「そう? なら良かった」



私は今完全なる嘘つき者だ。