片想いの距離~声が聞きたくて~【修正中】

「じゃあ、座席表も完成したことだし、俺帰るわ! 今日はありがとな!」



椅子から立ち上がる音がした。



「うん……」



そんなに笑わないで。



私は何もしていないのに。



聖はカバンを片手にして教室から出て行った。



その後ろ姿を見ると、どこか嬉しそうで――。



何だか嫌になる。



苦しいよ……。



胸が縮こまって。



とてもジンジンする。



やっぱり辛い。



片想いは辛かった。



聖にはあんなにも香恵ちゃんの事を大事にしてた。



……だからこそ、あんな相談されたら逃げ出したいほど嫌になって。