耳を澄ませてみても、心地よい風の音と鉛筆を動かす音が聞こえるだけ。



教室にいるのは、私と聖。



放課後の2人しかいない教室で、黙々と作業を続けているのは、今朝先生に学級委員の仕事を頼まれたからだ。



席の座席表を作って欲しいとの事だった。



「早く終わらしたいよなー」



あまり、沈黙が好きじゃないのか、時折聖が話しかけてくる。



「……ねえ、なんで学級委員やろうなんて思ったの?」



心の中で思ってる事が口から出た。



本当に不思議でならない。



だってこんな面倒くさい作業、誰も好んでやりたがらないのに。



くじで私みたいに仕方なくするのは分かる。



でも何で……?



私がやるんだったら楽しいから?



それだけでやるなんて思うのかな……?