ドクドクと緊張感が高まる。


美咲は私の声に気づき、振り返った。


目が合う。


その瞳はやっぱり鋭くて。


まだ怒っているみたいだった。


このまま無視されてしまうかもしれない。


怖くて目をつぶる。


「……なによ」


美咲の口から放たれた言葉は、尖っていて私になんの感情も持たない生き物の様だ。


とりあえずほっとする。


無視はしてくれなかったから。


安堵のため息を漏らす。


それから、真っ直ぐに美咲を見つめて……。