「明香里、おはよう!」



「おはようー、拓人」



ここは私の家の前。



登校する時は一緒に行こうと約束したので、拓人が迎えに来てくれたのだ。



夢みたいだ。



私の為に朝早く起きて迎えに来てくれるなんて。



「いこ」



「うん!」



こんなにも朝が楽しいなんて初めてだ。



スキップしたい気分。



私達は他愛もない話をしながら学校へと向かった。



―― 校門が見えてきた。



門をくぐるのも、いつもと違う。



だって隣には拓人がいるから。



……駄目だ。
完全に顔がにやけてる。



浮かれっぱなしだと学校に来る意味がないじゃんと1人で苦笑する。



それでもやっぱり嬉しくてにやけてしまう。



何もかもいつもの日常ではない事に新鮮さを感じて、見る景色も違って見える。