思ったより恥ずかしくて、下を向く。



なんだか新鮮な感じがする。



お互い名前で呼び合うのってカップルみたい。



……あ、もう私達もなのかな。



カップルって呼べるのかな。



「これからもよろしくな」



拓人がそう言って握手を求めてきた。



私は恥ずかしさを紛らわすために、わざと強く拓人の手を握った。



目が合って笑い合う。



「明香里、可愛い」



……!



拓人って案外びっくりするような事ばっか言ったりするからやめてほしい。



心臓が持たないじゃん。



拓人、これからよろしくね……。



私は密かに心の中でそう呟いた。



その時、私達の真上の空に飛行機雲が見えた。



それが誰かからの私達への贈り物に思えた――。