そこにはやっぱり聖が立っていて。



私は頭を下げて、
「昨日はごめん!」
と一言謝った。



腰は90度に折り曲げられている。



思わず目をつぶった。



何も聖が言わないので、恐る恐る顔をあげる。



「うん、俺もごめんな。無理やり誘って」



よかった、怒ってはないみだいだ。



「ほんとごめんね。聖は何も悪くないよ」



「いや俺も悪いよ。明香里は恋で悩んでるのにデートなんて言ってさ。好きな奴が隣じゃなく
てごめんな。だから辛くて泣いたんだよな? ほんと悪かった!」



そう言って、聖は私と同じように腰を深々と下げた。