「この度は、拾っていただきありがとうございました。」

立っていたイケメンは、そう言った後笑顔になった。
その綺麗過ぎる笑顔に思わず、息を飲んだ。

「僕は、“アヤノ”と申します。以後、お見知り置きを。」

私の胸は、トクンと脈打った。
「え、ぇ??どう言う事…?」


え、えぇ??な、なんでイケメンいんの?
猫がイケメンに変わったように見えたのは、私の目がおかしいからなの?
眼科行った方がいいかな……?

思考を巡らせる。

「…えと、まず“アヤノ”?はどこから来たの?」
アヤノに問いかける。
「僕は、妖界から来ました!」
自慢気に、アヤノはそう答えた。

「あの…通報していいですか?」
「すみません。それだけは、勘弁してもらっていいですか?」
私の手には、画面に110と表示されている携帯が握られていた。

「落ち着いて下さい。僕は、冗談を言っているわけではなく真実を言ったまで……あぁ!!すみません!通報しないでぇぇぇぇぇえ!!」
私が携帯を耳に当てようとした為、アヤノは必死に阻止した。

「…あの、中二病とかではないですか?」
「失礼な。僕は、健全な“猫神”です!」
「………………。」
「あぁぁぁぁぁぁああああ!!通報しないでぇぇぇぇぇえ!!!!」