アンダーワールドの戦い

桜の気の下にいると、ニンゲンは狂う

そう、桜の気。

それに触れ、取り込まれると、人は、戻って来られなくなる。

千年桜。

この桜の記憶。

突如、アリスの頭にその文字が思い浮かんだ。

はらり、はらり。

美しく、桜の花びらが舞っている。

桜に、ふと触れた。

キーーーーーン

「ようやく逢えたわ、アリス」

「だ、だれです.......か?」

「私は黄金の魔女、ファティマ。
そして、貴方です」

「えっ!?」

アリスは、意識が覚醒した。

禁忌の地に足を踏み入れたら、出口が消え、桜の下で狂いかけていると、意識を失いかけた自分が謎の人に声をかけられ、謎の人に私は貴方と言われたのだから、驚くのも無理はなかった。

「あ、あの.......質問をしても、よろしいでしょうか」

「何でしょう、私に答えられるモノなら、いくらでも答えて見せましょう」

「お、幼馴染のライは、どこでしょうか」

「今は眠らせてあるわ。そうね......あなた、目を閉じなさい。転移するわ」

アリスは、目を閉じた。

まだ完全にこの人を信用したわけではないが、ライがいるかもしれない。

そして、仕方なく従った。

「Space movement」

謎の人は、滑らかに、謎の言葉を告げた。

「目を開けなさい」

........暖かい

目を開けると、そこは図書館だった。


大きな円錐形で、壁には本棚がぎっしり詰め込んであり、きらきら光り輝いている。

部屋の中央には楕円形のテーブルがあり、目の前の椅子に座っていた。

だが、目の前にもう一人いる。

「初めまして、久しぶり、アリス」

アリスは息を飲んだ。
自分に瓜二つだからだ。

だが、その少女の方が何倍も美しかった。

純金のような髪に、黄金のような瞳。

一糸まとわぬ姿だ。
だが、ローブを羽織っているし、髪は床に着くほど長いので、秘部は辛うじて隠れている。

「Mysterious library」

「あの、その言語はなんでしょう」
アリスは問うた。

「私のなかへようこそ。
ここは、あなたの小さい頃の記憶。
不思議図書館。
を、私なりにアレンジしたの。
素敵でしょう?」

不思議図書館。
桜の木の下にある地下図書館。

そこには魔術の本がいっぱいあって、世界一の魔術師がいる.......

そんなお伽話のような幼年時代の空想をかたどるなんて、馬鹿にしてるのかしら、とアリスはぼんやりと思った。

「あの、そもそもここはどこですか、あなたは誰ですか。この二つの質問に答えていただけませんか?」

アリスは真っ直ぐとした瞳で謎の少女に質問した。

少女は、ふと目線をそらし、壁側の暖炉を見つめた。

やがて、おもむろに口を開く

「私は.........神」