アンダーワールドの戦い

禁忌ノ扉というのは、アリスとライの通っている学校の最上階、100階にある扉だ。

禁忌ノ扉と呼ばれている巨大な木の扉があり、その扉を開けた者は禁忌ノ楽園に入れるらしい。

そこでは願いを叶えてもらう代わりに、大切なものを奪われるとか、うんとかかんとか。

そのロマン溢れるストーリーに、好奇心旺盛なアリス、ライは好奇心を、前からそそらせていた。

決行は氷花ノ祭りの日、誰もが首都である王都に向かい、学校が空っぽの日にすることにした。

祭りの日に、学校に居ると不審に思われるため、天性の無駄演技力を持つアリスが腹下しを起こした、それに心配するライがそばについて看病すると言いはる、という筋書きにしておいた。

「ねぇねぇ、アリス、ライは祭り行くわよね!?」
休み時間の終わり頃、クラスメイトのクラウディアが話しかけてきた。
クラウディア•クラセトウールは、大農場の一人娘で、鼻にソバカスがあり、陽気で愛らしい娘だった。

「え、ええ、行くわよ」
あの話は内緒、とアリスとライは目配せしあった。

「ね、ねぇ、もし良ければ、このクラス皆で回るんだけど、アリス、ライも参加しない?」

そんなこと言っているが、アリスもライもクラウディアの本心が見え見えだった。

学校一の美少年でクールでドライのライ、アンダーワールド1の凄絶な美貌を持つアリスを狙っているのだ。

その証拠に、周りの男子、女子も目を輝かせながら2人の返事を待っている。

「ごめんなさい、クラウディア。2人で回るの。ごめんね、また誘ってね」

クラウディアは一瞬顔を曇らせたが、また笑顔になった。

「そうなの?また今度ね」

男子、女子の目に見えぬ、聞こえぬ溜息がした。

「むぐぅ、断りたくなかった」
アリスはそうライに愚痴を言った。

「仕方あるまい」
クールに言い放つと、ベルが鳴った。
休み時間終了のベルだ。

アリスの後ろの席であり、そこで話していたライは、また後で、と合図を送った。