アンダーワールドの戦い

「そして、私は人類を見捨てた。
その頃、力は抑えきれない程強くなった。運命の魔女として、私は責務を放棄した。人類を救えたのに。
その結果人類は滅びかけた。

そして、ある人間に暴走しかけた分の力のみ、託した。それがラズアンという男。そうね.....100までが抑制出来る力だとすると、120くらいまでになり、暴走しかけた20だけは力を託し、残りの100を抑制する」

ファティマの語っていること、全てアリスは頭の中で理論として組み立てた。
各国や首相という単語?らしきものは理解出来なかった。
だから、適当に削除し、アリスは理論を組み立てた。

「だけど、ラズアンは野心家で、人類を蹂躙しかけたグループの幹部だった。
本人は小心者の癖に野心だけは人一倍だった。
私はそいつが滅びかけた人類を目の前にして、更生し、新たな人類を作り出すことを期待した。
思えば都合良く解釈して、私の贖罪をラズアンに償わせようとしていたのでしょうね
だが、あいつは私に反旗を翻した。
いきなり自分には神の力が宿り、新たな、自分だけの世界を創ることを神が望んで、この力を授けた。

そう思い込んだ」

ファティマも、唇を舐め、ハーブティーを、ひとくち飲むとまた語り出した。

アリスは膨大な単語で、理論を組み立てながらファティマの話を聞いていた。


「人間の思い込み、いや意志力は凄いのね。

あいつは私の上げた僅かな暴走した力で世界を創り上げた。

私の上げた力は、暴走しかけたもの。
激しい自己への抑制、人間への憎しみなど、マイナスの感情ばかりだった。

あいつは野心とその感情を上手く融合し、自分の都合が良くなるように力を改変した。

その結果、思いもよらぬ効果を生んだ。

世界を黒に塗り潰そうとし、破壊と悲鳴と血と混沌、恐怖が支配する世の中にしようとした。


だけど、上げた力には、僅かに人類への希望もあった。
それに加え、私はわざと自分の中にある希望などの明るい気持ちをラズアンに送った。
その結果、あいつは善人になった。

そして、歳を取り、死んだのよ。

でも、ある日、私は一瞬だけ油断してしまい、その希望の力を緩めた。

悪の野望の力を消さなかったのは致命的なミス。

あいつの魂の奥底にまだ燻っていた、世界の暗黒支配者になる夢が、希望が無くなったことで、一気に膨らんだ。

その結果、100年前、あいつは生き返った。
暗黒神として、圧倒的は生命力、剣技を携えて。

そして、魔物を操り、人類を徐々に支配しようとした。
私は、その頃、力を蓄えるために眠らねばいかなかった。だが、この、暗黒神が蘇った人類を放ってはおけないわ」

ファティマはため息をついた。

「だから、あなたを作ったのよ」