「…………………」

氷の部屋。アイスクイーンの住む部屋のように凍っている部屋。

そこに、1人の少女がいた。

氷薔薇が、氷の棺の周りに咲き誇っている。

少女の髪は黄金のように光り輝き、頬にはまだふっくら赤みがさしている。

何年、そこにいるのだろう。

少女は眠っていた。
いや、来るべき時のために冬眠してると言っても過言ではない。

彼女は、ようやく目覚めた。
5000年。彼女は眠っていた。
来るべき時が来て、下界に下りることになると、わかった。

そこで、今この瞬間産まれる命に、自分の魂のかけらを入れ込んで、入り込む準備をした。

その魂のかけらに生きていてもらい、その間残りの魂で調べておく。

あの血塗られた過去を。

ファティマ。
彼女の名前はファティマ。
黄金の魔女にして運命の魔女。