こんな泣き顔も見られたくない。



忘れた頃に現れる。

あんたは、ずるい。
ずるいよ……。





「翔、No.1おめでとね」

あたしはそれだけ言ってこの場から離れた。



角を曲がった瞬間、
思いっきり泣いた。

声をあげて泣いた。



マナミはそんなあたしを何も言わず抱きしめた。










あたしとアヤのこと知ってて
わざとアヤと住み始めた翔には幻滅したはずなのに

ダメだ、全然まだまだ好き。


好きがよみがえってくる。



好きが全然消えてない。






こんなの、気づきたくなかった。




やっと忘れられると思ったのに。









それからね、あたしちゃんと伝わってたよ。



アヤと住み始めたとあたしにわざわざ言ってきたのは、




もうNo.1でもなんでもないあたしのことなんていらないって
言いたかったんだよね