あたしたちは来た道を引き返した。



そして最後に振り返った。



マイさんの隣の看板で
こっちを見つめるのは翔。





………戻ってきたんだね。

No.1の一ノ瀬翔。



あんたにはその場所が似合ってるよ。

また伝説を作り直すんだろう。











店長と付き合い始めてから、翔の名前すら出てこなかった。

誰も、翔のことを話そうとはしない。



今も、翔の看板を見上げるあたしにマナミは何も言わずに見守るだけ。





「ごめん、行こう。」





だけど、今日


半年ぶりにあたしの口から翔の名前が出てしまうことになる。










「……翔…」



あたしの足は止まってた。



その先10メートルほどのコンビニの前で


あたしは翔を見つけちゃったから。