マナミと話してるうちに気持ちも落ち着いてきた。


「まあそんな意識せずにさ、明日からも今まで通りなかんじでいいんじゃない?」


マナミの無難なアドバイスを聞いて、あたしたちはタクシーに乗り込んだ。




タクシーから見える景色。




あの日と同じ景色。


遠くからでもハッキリわかるほどの大きな看板で微笑むあたし。


一つ変わったのは、
その隣にいるはずの翔はもういなくなっていた。





看板やポスターから消えた翔の姿。



No.1じゃなくなった翔。





翔の伝説を邪魔したのはきっと、


あたし。






翔を応援したいのなら
離れるべきなのに。



あたしが翔を好きになって
手離したくなくなった。



ごめん、
あたしはあんたの幸せを応援できなかった。