…むかつく。
むかつくよ、翔。
あんたのためにとったNo. 1なんだよ。
あんたのためにやりたくもないジジィとこんなことしてんだよ。
あんたの特別でいれなくなるからだよ。
それなのに、ひどいよ…。
ホテルから出て、すぐにタクシーに乗り込んだ。
"No. 1にそこまでこだわらくていいから
俺のそばにいて"
そんな言葉を今まで何人に言ってきたんだろう。
マナミが言うように、No. 1キャバ嬢はもう戻れなくなる理由は
きっと、あんたのその寂しそうな顔だよ。
真っ暗で吸い込まれそうな目。
そばにいてあげなきゃ、壊れそうだから。
あたしがあんたに捨てられたくない理由も
同じなんだよ。
でもこんなこと言ったら、あたしも所詮他の女と変わらないって幻滅するんだろうね。
ごめん、もう少し特別でいたい。