数分してノックの音が聞こえ、
ドアの向こうには翔がいた。


ドアを開けるなり抱きしめられた。

「えっ、どうしたの?」

「どうしたの?じゃねーよ!
お前無茶しすぎ!」

「何が?」

「お前ナンバーやばいからって今日ベロベロだったんだろ?
それで客とアフターなんてあぶねーだろ」


怒ってる。




あたしがNo. 1じゃなくなったら
あんたはあたしを捨てるくせに。



「今日ベロベロだったとかなんで知ってるの?」

何も答えない翔。

「まさか店行ったの?」

翔は頷いた。

「バカ。心配しすぎ。(笑)」

「お前、枕もやめろよ」

「No. 1で居続けるためには汚いことも必要なことくらいあんたが一番わかってるくせに」



あたしは翔に抱きしめられたまま。

「もー。離して。」

離れようとしてもビクともしない。




「No. 1にそこまでこだわらなくてもいいから、

俺のそばにいてよ」






その言葉に
何も言い返せなかった。