越せない。






マイさんに追いつくこともできない。







帰宅してからため息ばかりつくあたしに翔は缶ビールを差し出した。


「なんかあった?」

あたしは窓際で夜景を眺めながら缶ビールを開けた。


「もし、あたしがNo. 1じゃなくなったらどう思う?」



翔も私の隣に座って、同じ景色を見下ろした。



「そんなのあり得る?(笑)」


あたしにだってピンチはある。

余裕そうに見えても必死なの。


気づいて欲しい。
でも…




「No. 1じゃない女はいらねーよ」








分かってる。

翔にとって特別でいれるには、No. 1で居続けるしかない。





そうじゃなかったら、他の女と一緒になる。