first love

「中野さん

美華が大人になったらこの住所を美華伝えてください。

こんな私でも会ってくれるなら、会いに来てください。

本当にごめんなさい。
よろしくお願いします。」




それだけだった。











「おばさん…お母さんってどんな人だったの?」



「そうねぇ…」






おばさんは遠い昔を思い返していた。

もう20年前の話。







「17歳だったかしら。
とにかく若くに美華ちゃんを産んだのよ。

すごく綺麗で昔から有名だった。
美華ちゃんにすごく似てる人よ。」




震えの止まらないあたしの手を翔が優しく握っていた。





「水商売、してたんでしょ?
お父さんって、客だったんだよね」


おばさんは頷いた。



「ごめんね。
私も一度しか会ったことないからよく分からなくて。
美華ちゃんを預けに来た時はとにかくすごく泣いてた。
ずっと謝られたわ。
あかちゃんだった美華ちゃんにも謝ってた。
育ててあげられなくてごめんねって。」


あたしは俯いた。





「美華ちゃんのお母さん、若かったし1人で育てるのには経済的にも精神的にもできなかったのよ。
美華ちゃん、もう大人だから…」
「うん、わかってるよ。
大丈夫」




おばさんは申し訳なさそうに言う。