first love

食事が終わり、出口にはタクシーが待っていたが、翔はなぜか断った。



「は?なんで?」


「せっかく北海道きたし、ちょっと歩こうよ」



氷点下の気温の中歩こうという翔に言い返したかったけど、誕生日だし嬉しい報告の後だったから何も言えなかった。




あたしたちは寒すぎる北海道の街を手を繋いで歩いた。






「田舎とか言ってたけど、めっちゃ都会じゃん。
東京と変わんなくね?」

「こっちはね。
あたしが育った町はやばすぎるくらい田舎。」

「そっちにも行きたい」

「やだよ。
こっちより雪やばいし、山奥って感じだもん(笑)」

「美華ちゃんが育った町行きたい!
明日そこね。」

「えーーーー遠いよーーー。」



あたしが文句言ってると、パラパラと粉雪が降ってきた。





「…ちょうど1年前と同じだな」


あたしも1年前の今頃を思い出していた。




翔との出会い。







「あっ!!日付…」

あたしは慌てて腕時計を見ると23:58


セーフだった。




「別に俺、0時ちょうどに生まれたわけじゃないんだけど(笑)」

「一番におめでとう言いたいじゃん!!」









そして、時計の針が0時を指すと同時にあたしは顔を上げた。


「翔おめで…」





唇があったかい…










ねぇ、不思議だよね


こんなに寒いのに
寒いはずなのに、



あんたから伝わる体温で熱くなる。










どうしようもなく好きなんだよ。








1年前のあの日から、何も変わらない。

ずっと、ずっとずっと大好きで仕方ない。









「翔、おめでとうって言えなかった(笑)」


唇が離れるとあたしは笑った。


笑ったつもりだった。のに…




「美華、なんで泣いてんだよ(笑)」









どうしてだろう。


幸せすぎると涙が出る。

愛しくて涙が出る。





あたし、おかしいよね。

でも、あんたに出会って涙腺は壊れてる。



泣いてばっかりだ。





あたしは翔に抱きついた。