「まあでも、一ノ瀬翔の人気いつまで続くんだろうね。」

マナミが突然顔色を変えてそんなことを言い出す。

「ずっと続くんじゃないの?」

「それはないでしょ。
評判悪いじゃん。」

「評判?」

「美華って本当なーーーんにも知らないよね!」

マナミはそう言って自分のケータイをあたしに見せてきた。

「なに?」

「掲示板だよ!
一ノ瀬翔すっごいことばっかり書かれてる!」


あたしは深いため息をついた。


「あのさー、掲示板なんてほとんどが嘘じゃん。
そんなの信じてるの?」

「まあそうだとしても、一ノ瀬翔の噂は有名じゃん。
あいつの伝説って、違う伝説なのかも…」

「どういうこと?」



「一ノ瀬翔にハマった女は二度と抜け出せない」


「それはホストだからね。
いいことじゃん。」

「一ノ瀬翔が狙うのはNo. 1キャバ嬢ばっかりだよ。」



…なんだ。
だからあたしに近づいてきたのか。



「それでね、一ノ瀬翔にハマったNo. 1キャバ嬢はみんなキャバやめちゃうの。
そんで、金がなくなったらポイ!だって。
ひどいよねー。」







「No. 1キャバ嬢……
なんでやめちゃうんだろ…」

「みんな一ノ瀬翔にハマって、仕事に身が入らなくなってやめちゃうんだって。
やばいよね。
美華だって今歌舞伎町で一番有名なNo. 1キャバ嬢なんだから気をつけなよ〜って、美華に限ってそんな男ありえないけどさ!!」

マナミはそう言ってまた一人で爆笑してる。




「ってゆーか


昨日あいつあたしんち泊まった」






ブッ!!!

マナミは口に含んだビールを吹き出しそうになって手で押さえた。


「はぁ!?!?!???」