俺は部屋に散らばるノート全てを自分のカバンの中に詰め込んでこの部屋を出た。



帰りの新幹線の中で、ノートを全て読んだ。


人の目も気にならないほど
声を出して泣いていた。






美華が残した、美華の人生がこのノートに詰まっていた。







美華がいなくなって2年が経とうとしていた。



受け止められなかった現実たちが
今になってようやく俺に教えてくれていた。


もう戻らない日々。




だけど、消したくないんだ。
忘れたくないんだ。


俺がお前といた10年間の日々を
なかったことになんてしたくないんだ。





そうして俺はパソコンの前に座っている。



残さなければならない。
美華が書き綴ったこの日記を
俺がちゃんと残さなければならない。







窓の外には雪がちらついていた。



この東京では珍しく
今日はずっと雪だな。


こんな夜は、お前と出会った日のことを思い出すよ。