「ごめん、あたしは傷つきたくないから、あんたのこと信じない」





信じて、
マイさんたちのようにボロボロになるなんてごめんだ。





「あたしは翔になんて言われてもキャバ嬢はやめない。
あたしにはこれしかない。
この仕事も辞めてあんたもいなくなったら、あたしには何もなくなっちゃう。
かといってあんたのこと100%信じることもできない」







「………俺、店長みたいにはなれねーんだな」



「何それ」


「美華、店長のときはキャバやめてたのに。
でもきっとそれは、店長が俺みたいなやつじゃないからなんだよな」








ねぇ、後ろから抱きしめる翔は
今どんな顔をしてるの?






「過去も何もかも捨てて、最初からやり直したいよ。
美華に、一番最初に出会いたかった」










涙が溢れそうになった。





翔のこと、信じたくなる。








翔の過去なんて、
気にしなきゃいいのに。



あたしは自分が大切だから、
自分を守るために翔を信じない。





弱いあたし。
こんなあたしだから、







きっと誰のことも幸せにできない。