17時




待ち合わせのカフェに、池田は私より先についてた。





「ごめん、待った?」

「全然」


今日の池田は、いつもみたいにバカ高いテンションは隠してるみたい。



「元気ないね。」

「そうでもないよ」




池田はあたしをジッと見た。




「美華、なんで翔と付き合ってるの?」


池田の突然の質問にあたしは飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。


「は?何いきなり」

「いやぁ、俺はね翔のこと噂でしか知らないから。
どうしても女癖悪いとか、No. 1キャバ嬢を食い漁ってるイメージしかないんだよね」



「まぁそうだよね。
けど、なんかほっとけないんだよね」



池田はあたしを気持ち悪そうな目で見つめる。



「ねぇ、心の声聞こえてるんだけど」

「ごめん、美華がそんなこと言うなんて普通に吐き気。」


池田はそう言って笑った。




「もちろん、不安だよ。
自分でも気持ち悪いけど、あたしすごい嫉妬するし。
同業だからなおさら翔の仕事いやだって思っちゃうし」


「仕事ねぇ。
枕とかしてたらそれは嫌だけど」

「してるの?」

「知らねぇよ(笑)」





池田はテーブルにあたしが普段吸うタバコを出した。


「ありがとう。
気がきくじゃん」

「お前のパシリ何年やってると思ってんだよ」



あたしは池田がくれたタバコを開け、一本出した。




「マイさん……翔と繋がってるよね……」




あたしはずっと聞きたかったことを
持ち出した。